« 2008年2月 | メイン | 2008年3月 »

●会報しらやまNo77 2008年2月発行

雪に閉ざされた白山山麓

雪に閉ざされた白山山麓
この写真は、白山市西佐良町で1月下旬に撮影したものです。 雪の深さは1mくらいでしょうか。田んぼや農道は雪に埋もれていました。
この雪が融けて、田起こしや畑作ができるのは4月になってからで、12月にもなると次の雪がやってきます。白山山麓の田園地帯は1年の3分の1ほどは休眠していることになります。
白山のお花畑では、雪融けと同時に春と夏が一度に訪れ、お盆をすぎると早くも秋で急速に冬に移行していくというサイクルがあります。白山山麓の暮らしにもそれと似た感覚があるのではないでしょうか。
ここは、一日のはじまりを感謝の気持ちで迎え、大事に過ごすことが、自然とできるようになれる場所ではないかと思います。
写真・文 木村芳文(写真家・当会事務局員)



目次
秋の自然観察会
白山の未来を語る
白山本来の植生を後世に残すために
私たちは白山トンネルに反対します その3
会の動き
大臣と知事に中止要望書を提出
今年度も、チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託事業に力を貸してください
白山を巡る沢旅(その21)終章 雪の架橋、日本海から白山へ! その1 犀川源流へ
環境について考える(17) 地球温暖化と都市構造の深い関係 ~応援します、富山ライトレール!~
私の声 みんなの声
事務局短信
新入会員
カンパ ありがとう
でかけてみませんか


秋の自然観察会 

村上秀明

今回は、自然観察会としてはややハードであるが、豊吉川源流部を行くことにした。
7時30分見上峠に参加者7名が集合、2台の車に乗り合わせ、西尾平へと向かった。見上げると山頂部に深い霧がかかり、西尾平から覗へ通じる広い道を歩いていると少し雨が降ってきた。風も冷たく、首筋が寒い。
いっせいに飛び立ったアトリの群れが木の葉のように吹き飛ばされていった。夏の盛暑でややへたばり気味か、紅葉する前に枯葉となってしまった木々が目立つ。それでも、敷き詰められた落ち葉のじゅうたんは、最高に気持ちがいい。

やがて、金沢市街を一望する覗に到着。ここで小休止、やや天気が回復してきた。遠く宝達山が長い山裾を広げて横たわっていた。まるで小さな白山のようだ。
覗を過ぎれば本格的な登山道となる。道幅も狭くなり、覗乗越からトンビ尾根へと進む。このあたりは、白く美しい幹のブナ林となり、左側は広い谷の緩斜面となっており、ホオやサワグルミが繁る深い森となっている。今はヤブで行けないが、雪のあるころだと気持ちのいい雪上散歩ができるだろう。
カエデ、ウルシなどの紅葉が美しい尾根を進むとブナの大木があったので小休止。少々足取りが重い出発であったが、この辺まで来ると皆さん山の色に染まって、笑い声が山に響いた。

歩きだしてすぐに、初心者不向きと書いてある看板があった。いよいよ今日の核心部、ナカオ新道に突入。叫びながら、泣きながら、笑いながら、滑り落ちながらも豊吉川源流に降り立つ。石づたいに沢を渡り、水を補給。この沢を下れば三蛇ガ滝へ通じ、カニの横ばいから大池へと通じている。まさに医王山の秘境の一画といえるだろう。
沢を渡ると胸突き八丁の道が続く。野生動物のように4本の手足を駆使してよじ登る。途中、サルナシを皆で賞味。とろけるような甘さに舌づつみをうち、疲れをいやし、さらに上へ上へ。

赤く色づいたイワショウブの実が揺れる尾根に出て、ケルンのある小ピークについた。私達の目の前には標高900メートルの錦の屏風が広がっていた。後はたんたんと水平道を行き、12時半白兀山頂へと着いた。たくさんの人が秋の1日を楽しんでいた。その一画にむりやり割り込み、弁当をひろげて、我々も秋の1日を楽しんだ。
西尾平に13時到着。途中、喫茶店にて反省会をして解散とした。(07年11月4日実施)

20080213_03.jpg



白山の未来を語る
白山本来の植生を後世に残すために
白山自然保護官事務所  菅野康祐

白山国立公園は、主峰である御前峰を中心におよそ東西20km、南北40kmにわたって指定され(面積47700ha)、ツキノワグマやイヌワシ等の大型野生生物の宝庫でもあり、ユネスコ「人間と生物圏計画(MAB)」に基づく生物圏保存地域に指定されている。
そうした素晴らしい白山であるが、いくつかの問題や課題も存在している。ここでは、その問題の一つである外来植物問題を取り上げる。
白山の高山帯や亜高山帯の登山道や山小屋などの施設、登山口周辺には本来白山に生育していなかった植物(以下、「外来植物」)が侵入し、生育している。石川県白山自然保護センターの調査により、平成19年3月時点でオオバコやセイヨウタンポポ、スズメノカタビラなど12種が確認されている。これらの外来植物が白山の高山帯・亜高山帯に生育することにより、白山本来の植生や自然景観を損なうだけでなく、在来植物との交雑の危険性も懸念されている。
これらの外来植物は登山者や工事関係者の靴、工事用資材や車両に種子が付着して侵入し、生育、繁殖、分布を拡大していると推測される。外来植物の侵入を防ぐ最も良い方法は、白山国立公園を立入禁止にし、その利用を無くすことである。しかし、日本の自然公園は自然を保護するだけでなく、適正な利用を図り、国民の保健や教養などに資することも目的であり、立入禁止にすることは国立公園としての価値を失わせることになる。一方で、このままでは国立公園の根幹である自然環境を維持できなくなることから、当所では石川県や環白山保護利用管理協会、大学などの機関と協力し、外来植物の侵入及び分布拡大防止の検討及び試験、除去作業、分布調査、交雑の研究などの対策や調査に乗り出している。
その一つとして、今年7月から10月にかけて、市ノ瀬や別当出合、南竜に種子除去マットを設置し、その効果を調査した。その結果、マットから回収された土砂の中から、オオバコやスズメノカタビラなど20種程度の種子が確認され、登山靴の底に種子が付着し運搬されることが示唆され、マットが靴裏に付着した種子を除去する効果が検証された。今後、種子除去マットについてはその除去効果や設置方法などを調査・検討する必要がある。
この試験結果は白山の外来植物対策にとっては第一歩に過ぎないが、当所では引き続き、実施可能な対策を検討し、その効果を立証した上で具体的な対策を早急に講じていきたいと考えている。そのために、石川県をはじめ富山、福井、岐阜県やボランティア、大学、地元住民、民間企業など白山にかかわる多くの方々と連携し、登山者にも協力を求め対策を実施していきたい。
人間によって狂わされた生態系を取り戻すのは人間の責務だと思っている。「白山の豊かな自然が残り、私たちの子孫その他の生き物すべてが白山の恵みに浴するために」。

20080213_02.jpg
南竜での種子除去マット

20080213_01.jpg
ボランティアによる南竜でのオオバコ除去作業



私たちは白山トンネルに反対します その3

「土木は“人が主役”で」
会員 北市 正

私は、土木工学科出身ですので、土木事業自体には悪い感情は持っていません。私たちが、急峻で複雑な地形を持つ日本列島で安全に暮らすには、土木構造物は必要不可欠なものです。中でも、人々の行動範囲を広げ、物流や防災を支える道路の整備は重要な課題です。
その中で、このトンネルに疑問を抱くのは、誰のための計画か分からない、どこか不健全なものを感じるからです。それは、土木の良い面を隠れ蓑にした、利権をめぐる構造が、我々にも知れ渡っているからでしょう。
以前、建築家の北川原温氏にインタビューした際、「基本になるのは人。人に夢や希望を与え、人間らしさを振り返る空間が建築であるべき。そこから文化が生まれる」と話してくれた事がとても印象に残っています。
「土木事業」にしても「自然保護」や「環境問題」も一人歩きしやすい課題です。我々は、地元団体として、しっかり大地に根を張って“人が主役”の活動を続けて行きたいものです。


「白山トンネル建設に反対します」
会員 山本 俊和

いつも、身近に感じている白山の真下にトンネルを掘るという話をはじめて聞いたのが、白山に登り始めて、6年が過ぎようとしているころであった。
いつも、神々しく四季おりおりの季節で、自然が溢れる山に、その自然を破壊するような、トンネルを建設するという。そのトンネルは、岐阜-石川を結ぶため建設予定だそうだ。太平洋-日本海への縦断道路はいくつも存在すること、時間短縮が望めないこと、道路財源等の確保が難しい時勢にあってなお、トンネルを掘る計画だそうだ。未来へ受け継ぐべきは、直近の経済効果なのか自然なのか?答えは、未来の子供たちのため、自然を残すべきではないでしょうか!建設には断固反対します。


「白山トンネル 反対!」
会員 米野 恭正

白山トンネル! いかにも壮大な構想で、想像するだけで胸がわくわくする人もいるだろう。しかし一方では、何という無謀な計画を立てることだと背筋を寒くする人もいるに違いない。日本民族は太古の昔より自然をこよなく崇拝し、畏敬の念をもち、その自然と共存共栄するという崇高な英知を保ち続けてきたたぐいまれなる民族の一つとされてきた。しかるに現在では生活文化の向上の名のもとに自然を傷め破壊し続けているが、それにも自ずと限度というものがあることを今一度自覚すべきである。破壊による自然の怒りを招いてしまう前に自然の大切さを再認識し、自然破壊を食い止め、そして積極的に自然を保護していく決意こそが今最も求められている時である。



会の動き
事務局長 加藤正現

皆さん、新年おめでとうございます。今年も会員の皆さんのご理解とご支援に支えられながら会活動を展開してまいりますのでよろしくお願い致します。
さて、この三ヶ月の動きをまとめておきましょう。まず、八月下旬に国交省のほうから光ファイバーを弥陀ヶ原から室堂まで延伸したいという話しがあり、十一月末に担当の副所長さん出席のもと、当会からも八名が参加し、話し合いの場をもちました。当会からは、基本的に賛成できないが、どうしてもということであれば五葉坂ルートならということで提案を致しました。この件については今後とも継続して、話し合いを続けていきたいと思っています。
白山トンネルについては、国交省本省には訪問しませんでしたが、国交省金沢事務所及び県土木部と話し合いの場をもちました。国交省からは担当の副所長さんも出席していただき他にもっと必要な道路があるという言葉をいただき意を強くする思いでしたが、県の土木部長さんからは相変わらず建設に強い意欲を感じました。今後とも建設反対の要望書の提出など、地道な活動を続けていきたいと思います。
もう一つ、鶴来の獅子吼高原に大型の風力発電機一三基を設置する計画が持ち上がり、当会としても自然保護の観点から強い懸念を抱いていました。一月初めには、白山市に対し建設を認めないでほしいという要望書を提出しました。その甲斐もあってか、事業者側は建設計画の断念を表明し、この件は無事に一件落着しました。
この三月には、当会設立一九回目の総会を迎えます。区切りとなる設立二〇年を来年に控え、今年は具体的に動いていくことになります。さらに、長年の懸案であるトラストの具現化、白山公園線全線へのマイカー規制の提案など、これまで以上に積極的に動いていきたいと思います。どうか、温かく見守っていただきたいと思います。



大臣と知事に中止要望書を提出
トンネル特別部会  栗山宏人

毎年継続している白山トンネル(小小松白川連絡道)の計画中止要望活動ですが、今年度は国土交通大臣には郵送としました。更に国交省金沢河川国道事務所長(12月17日)と石川県知事(12月18日)に提出しました。国交省金沢は飛田副所長が、県は小間井土木部長が対応されました。
ほぼ同じ内容の要望書を提出しましたが、意見交換の印象は国と県で大きく異なりました。
国はお付き合いで長大トンネルの技術調査を行っている。計画が決まれば2分の1とか3分の2(直轄区間)の既定の費用をだす。最近、自治体が負担分を用意できず中止されたケースが出ている。あくまで国と自治体は対等であり、主体は石川県にある。白山トンネルは現在順位の高い事業ではない、高速道路がなく困っている地域は山陰とか東北日本海側とかまだまだある。
一方、県は議会で決定した新長期構想に含まれており、建設を推進する。20分の時間短縮でも効果は高い。2~3年以内にルート帯絞込み作業を終えると強気の姿勢を崩しませんでした。会側が要望しているルート帯検討委員会の公開および建設しないゼロ案を絞込みの対象に加えるとの意見は「駄目です」の一言で退けられました。また、近年推奨されている市民参画でさえ技術的検討が多く馴染まないと否定的でした。
以下要望書から抜粋しました。

ルート帯の絞込み作業が進められています。が、同関係者から実現可能性は低下してきていると声が発されるまでに、計画を巡る状況は大きく変化してきています。開発から再生への大きな流れを踏まえ、計画中止という終止符を打つべき時です。
計画地の白山北部は将来世代に伝えるべき生物多様性豊かな奥山自然地域です。今日、温暖化防止と並び生物多様性の保全は持続可能な社会をつくる世界の最重要課題です。
白山を世界文化遺産にとの運動が進められています、白山トンネル計画を自然に配慮し中止に踏み切る先駆的な行為は高く評価されることでありましょう。
小松白川連絡道路計画を中止すべき主な理由
●小松東京間の時間短縮は20分程度と建設する必要性は低く、新幹線や東海北陸道と中部縦貫道とで充分間に合う。
●建設費2千億円前後さらに高額な維持費と新たな財政負担となる。
●交通需要は低下に向かい効果が危ぶまれます。さらに、新鮮な水や空気、価値の高い風景をもたらす生態系サービスを含めれば決して収支は取れない。
●トンネル工法であっても、地下の生態系、建設や維持に要する莫大な資源やエネルギーを考えれば環境への影響は避けられない。
●その上、15km~18kmもの長大トンネルで安全性確保が困難であることなど。
いったん調査区間に指定された道路は必ず建設するという旧習にとらわれることなく、計画中止の英断を下されることを切に要望致します。



今年度も、チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託事業に力を貸してください
運営委員 米山 豊

昨年5月末から実施した石川県からの委託事業「チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託整備事業」(以降委託事業)、事故もなく10月末に無事終えることができました。
登山道巡視、登山道整備、チブリ避難小屋管理が主な仕事でした。実施回数は9回、延べ参加人数は64名でした。参加されたみなさん、本当にご苦労さまでした。

昨年度の実施日は、比較的天候に恵まれていたとは言え、風雨が強く下草刈りを途中で断念した日もありました。ただ、一昨年よりチブリ避難小屋管理が、新に委託事業に加わったこともあり、そんな日でも必ずチブリ避難小屋までは登りました。
チブリ避難小屋では、トイレの清掃を始め、小屋や周辺の清掃を行い、登山者のみなさんには、喜んでもらえたのではないかと思います。設置してあるノートを読んでいると(2冊目に入りました)、そのことがよくわかります。委託事業を受けているものの一人として、うれしく感じます。
チブリ避難小屋の委託管理を受けてから、この登山道が民間自然保護団体の手によって、維持管理されていることが、登山者に一層わかるようにもなったようです。避難小屋で休憩している登山者と、自然保護について話し合うことも増えました。
また、最近は「ご苦労さま」の声と共に、ときおり「どうして、手刈りなのですか」「何処の団体なのですか」などの質問も受けるようになりました。登山者は『どうも業者の人たちじゃないみたいだ』と思うようです。
その時は、この登山道の委託事業を受けるようになったいきさつなどの説明をしますが、私達の活動が、登山者の一人でも多くの方に、登山と自然保護について考えるひとつのきっかけになれば、と思っています。

さて来年度ですが、県から今年度と同様に「チブリ尾根(市ノ瀬別山線)管理委託整備事業」の委託打診があれば、「白山の自然を考える会」では、来年度もこの事業を受ける予定にしています。
来年度は、水場周辺の登山道の補修が一段落しましたので、水場周辺下部や上部の補修にも力を注ぎたいと思っています。
山や登山道は、登山者がいる限り痛むのは致し方ありませんが、少しでも山に負荷のかからないように登るのが登山者として当然の行為だと思います。
私達の手で登山道復旧まで至らなくても、復旧の可能性があれば、復旧に力を注ぐこともまた整備事業の大事な作業のひとつです。今年度はそこにももう少し時間をかけたいな、と思っています。
草刈り、登山道の補修整備、チブリ避難小屋の清掃・整備といずれも人手がいります。みなさんの力、来年度(2008)も貸してください。
チブリ稜線で、風を受け、別山を見ながら、いい汗をまたかきましょう。みなさんの参加を待っています。以下は、2008年度の予定です。

1回目 5月25日(日) 巡見、倒木除去、草刈り、チブリ小屋清掃

2回目 6月22日(日)巡見、倒木除去、草刈り、チブリ小屋清掃

3回目 7月19日(土)巡見、草刈り、チブリ小屋清掃
   ※可能であれば、小屋に泊まり翌日は三の峰へ。

4回目 7月20日(日)巡見、草刈り、チブリ小屋清掃

5回目 8月24日(日)巡見、草刈り、チブリ小屋清掃

6回目 9月21日(日)巡見、草刈り、チブリ小屋清掃
           
7回目10月19日(日)巡見、草刈り、チブリ小屋清掃



白山を巡る沢旅(その21)終章
雪の架橋、日本海から白山へ! その1 犀川源流へ
会員  鮎川正

見渡す先には鉛色の雲が分厚く垂れ込め、横殴りの風を加えた日本海の荒波が轟々たる響きの中押し寄せる。冬の日本海が持つ厳しい相貌に追われるように踵を返した。波打ち際には雪はないがすぐに現れる。夏には喧騒の海浜プールに無論人影はない。渡りの野鳥の囀る普正寺も今は静寂の雪の森。スキーを走らせる雪の音と吐息が響くだけ。
普正寺橋を渡ると目指す犀奥の山々がガスの切れ目からわずかにのぞく。大雪原の犀川べりにひたすらスキーを走らせる。心なしか風も和らいだようだ。幅広い犀川河口付近にも生気が戻ってきた。カモメが飛び、キジが駈け、サギが舞い、鴨が集い、セキレイが歌う。大雪原の犀川は野鳥の宝庫かもしれない。セキレイか?鳥の足跡を追いつつ、また足を止めながら鳥たちの饗宴にビデオを回す時間も忘れる。河原の葦も見事に埋まり、無雪期には近寄れないところまでも近づけるのがうれしい。冬のバードウォッチも悪くない。
いくつもの橋を潜り、橋の上を走る車の振動音だけが街中を彷彿させる。もっとも雪捨て場の大豆田はダンプが激しく行き交い、20年ぶりと騒がれる今年の大雪のほどがうかがえる。やがて見慣れた御影橋が今日の終了点・・・・。

仕事を終え職場の玄関先でスキーを履く。道路はでこぼこのカチカチ。学校帰りの子どもたちに手を振りながら今日もスキーで帰宅。中央通の横断歩道だけは雪がなくここのみそお~とスキーで歩く。パタパタパタ・・・・。車中からは怪訝な視線が飛んでいた。犀川神社から御影橋を見送り犀川へ降りる。今朝のトレースはしっかり残っていて気持ちの良いダウンヒル。
途中何度かデブリ?(雪捨て場)を越しながら大橋、桜橋、下菊橋を潜り抜ける。犬の散歩に来ている人がいるのだろう。途中トレースを何度か人の足跡が横断している。犀川スノーランド中最も人臭いエリアだろう。雪だるまにもご挨拶。こんな造形はちょっとうれしくなる。上菊橋で道路に上がり下界に引き戻された。ここは熱処理のある新しい橋のせいか雪が少なく渡るのに苦労する。左岸に渡ると児童館から緑地公園へ。再び無人の雪の森に分け入る。スキートレースを使い我が家へ到着した。

雪かきに忙しいご近所さんへご挨拶を交わしてスキーで玄関を出る。犀川べりを上流に向いていくと、スノーシューを履いた外人さんが上流から歩いてくる。スノーハイクという。冬の金沢の楽しみ方を知るのはむしろよそ者なのかもしれない。無雪期には歩けない川ぶちに野鳥を追いながら雪見、大桑、外環道の橋を潜っていく。貝殻橋(通称めがね橋)で本来は橋を渡って右岸に道が移るのだが、雪もあるしそのまま左岸沿いを試みる。しかし畑からやがて竹やぶに変わると川べり沿いの進行は難しく上に追いやられる。失敗か?川へ近づくルートが見出せずに竹やぶのジャングルをどんどん追いやられとうとうヘリポート金沢に出てしまう。すぐに別所に行く県道だ。
少し歩き再び竹やぶの中をスキーでダウンヒル。適当に方向をつけ最後は用水を飛び越し、田んぼと思われる大雪原に飛び出した。我ながらいいルート取りだ。送水管を渡って本日は終了。

送水管のたもとから田んぼの中をヒールフリーで進み天池橋を越えて田んぼのあぜ道へ。あぜ道になんとスキー跡があって驚く。農家の人もスキーを履いて来ているのか?辰巳橋、胡桃橋を越えると両岸竹林で狭まってくる。不審者ではありませんぜ、という顔で?民家のすぐ裏を潜りぬけるも川は廊下状になり行き詰まった。徒渉をするには深そうだ。諦めて戻り対岸へ活路を見出す。植林地の中に柿の木。雪に残る落し物をしげしげと観察するにカモシカちゃんたちの餌場か? ここを抜けると、辰巳発電所。両岸大きく立ち飛び石で渡渉となる。不意の闖入者をどう察知したのか?突如大音響でのアナウンス。「急な増水があるので立ち入らないでください・・・。」
やれるもんならやってみなさい・・・と言い返しつつ飛び石渡渉で廊下帯に入り、ゆっくりとスキー装着。辰巳ダムの予定地だろう。両岸屹立しなかなかの景観。犀川の下流域にこんないいところがあるとは知らなかった。やがて取水堰堤。スキーで行くとこちら側は大きなプールが待っていた。とても浸かる気になれず左岸のキノコ雪の壁を登らされる羽目に。薄いブッシュを掴みながら結構きわどい。スキーも担ぐがこれがまた枝にひっかかりえらい邪魔になる。兼用靴を雪壁に蹴りこみ、細枝をだましつつ掴み、アドレナリンの分泌も盛んとなる。ようやく上部の平坦地に抜けたときには息が上がっていた。こんなところで落ちても笑い話にしかならないだろう。ニュースは山の遭難とは伝えないだろうから、酔狂な人間の正体不明の事件として葬りさられるに違いない・・・とぶつぶつ呟きながら林道を川べりまでスキーで一気に下った。
犀川の流れの傍にザックを降ろしスキーを外して息をつく。今日はここまでとしよう。北陸にしては珍しく晴れた雪晴れの中、僕は一人川に向けて雪玉を放り投げて遊んでいた・・・・。

谷から谷を繋いで白山へ・・・・白山を巡る我が沢旅で胸中暖めてきた最大のテーマの一つである。日本海から犀川を辿り、小矢部川、瀬波川、境川、雄谷、加須良川、中の川を繋いで白山山頂へと至る、スキーを駆使した積雪期の沢旅がようやく幕を開けたのは、2005年暮れのことだった。

20080213_04.jpg

20080213_05.jpg



環境について考える(17)
地球温暖化と都市構造の深い関係 ~応援します、富山ライトレール!~
三津野 真澄(会員)

いよいよ今年一月より、温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の約束期間が始まりました。日本の場合、2012年までの平均排出量を90年度比で6%減らさなければならないのですが、06年度では逆に6・4%の増加。目標達成は非常に厳しい状況に追い込まれています。
二酸化炭素など温室効果ガスの排出量の変化を部門別でみてみると、工業など産業部門では減少していますが、家庭や交通部門では大幅に増加。特に問題なのは乗用車です。 
1人あたりの輸送機関別CO2排出量(表)では、乗用車は鉄道の9倍、バスの3倍であることが分かります。

1人あたりの輸送機関別CO2排出量 (環境省資料より)
  ・鉄道 19 g/km
  ・バス 53
  ・航空機 111
  ・乗用車 175

この交通部門でのCO2排出量は、都市構造によって大きく異なります。
たとえば「日本のヒューストン」と称される宇都宮市。車社会の代名詞となった米国の都市にちなんで、そう呼ばれるのだとか。全区間4車線、総延長34㎞(JR山手線とほぼ同じ)という完全な環状道路が96年に全面開通しました。その結果、沿線には大型商業施設(ロードショップ)が林立し中心市街地は空洞化。住宅地も郊外へと広がり、車がないと市民生活が成立しない街になってしまいました。
宇都宮市では現在1人あたり年間のCO2排出量は1292㎏。全国平均値923㎏の1・4倍、東京(541㎏)や大阪(552㎏)の倍以上となっています。

一方で、いま全国の自治体から熱い注目を集めているのが、富山市の「富山ライトレール」です。旧JR富山港線が廃止され、第三セクターが経営を受け継ぐ形で2006年4月29日にスタートしました。
この時に路線と駅が整備され、車両は低床新型に一新。富山駅北口と岩瀬浜駅間の7・6㎞に全13駅、1日130便以上が15分間隔で運行されています。1回の乗車料金は大人200円(距離に無関係)、始発5時57分、終発23時15分という便利さが市民に歓迎され、開業初年度(3月31日まで)には、337日の営業で約165万人もの利用があり、一日当たり4901人の利用と、当初の目標を大きく上回ったとのこと。
富山市は、1世帯乗用車保有台数が1・7台、自家用車利用の通勤割合72%と、典型的な車依存の都市でした。しかしライトレールの開業が一石を投じようとしています。中心市街地での駐車場確保が困難な企業がライトレールでの通勤切り替えを推奨し始めたのはその一例です。

全国の地方都市で公共交通機関がジリ貧となっている中での成功。路面電車などの活用は、都市全体からのCO2排出量削減には大変効果的です。
さらに富山市では、今後の人口減少や高齢化社会に対応するため、「公共交通を利用したコンパクトなまちづくり」の実現に向けて様々な取り組みを進めていこうとしています。

秋の日曜日、この富山ライトレールに乗ってみました。富山駅北口に停まった車両は白地主体の曲線ボディがカッコいい。ホームからは完全にフラットで、乳母車を引いたお父さんも乗り込んできました。車内はほぼ満席です。
200円払って終点の2つ手前の東岩瀬駅で下車しました。5分ほど歩くと旧北国街道の町並みが保存されている地区に出ます。北前船回船問屋や作り酒屋などが並び、なかなかの雰囲気。ぶらぶら歩いてお腹がすいたら岩瀬浜名物の「しろえび天丼」を堪能しましょう。帰りは終着駅の岩瀬浜駅からライトレールで戻ります。楽しい半日のミニ観光でした。


20080213_07.jpg
富山ライトレールの低床新型車両(富山北口駅にて)

20080213_06.jpg
日曜日の午前中。座席はほぼ満席

20080213_09.jpg
岩瀬地区に残る旧北国街道の町並み。富山ライトレールに乗って見に行こう!



私の声 みんなの声

昨年の秋は天候に恵まれ、あちこちの山に登りました。温暖化のおかげ? 岩田美智子

清水孝彰氏の調査報告“木道の件”、現在加賀禅定道でも進んでいる。要調査と思う。 西嶋錬太郎

白山トンネル? とても正気とは思えないことを本気で考える人がいる!?おそろしいことです。 今井隆信

いつもご苦労様です。 林 二良

仕事が忙しいので専門部には参加できません。 中村和子

会報いつもありがとうございます。 匿名希望



事務局短信

11月 9日(金) 運営会議(13名)
11月15日(木) 白山自然保護官との懇談(3名)
11月29日(木) 国交省と光ファイバーについての話し合い(8名)
12月 7日(金) 砂防ダム学習会(9名)
12月 7日(金) 運営会議(9名)
12月17日(月) 国交省と白山トンネルについての話し合い(3名)
12月18日(火) 県と白山トンネルについての話し合い(3名)
12月22日(土) 忘年会(4名)
1月 7日(月) 白山市に風力発電建設反対の要望書提出(3名)
1月11日(金) 運営会議(9名)
1月25日(金) チブリ尾根反省会(2名)
2月 1日(金) 会計監査(5名)
2月 3日(日) かんじきハイク(9名)



新入会員

山田美智子
高田 香



カンパ ありがとう

出村千恵子
松田幸枝
大岡三重子
車 康子
高山アキ子
中野 厚子
吉田外儀・邦子
崎川栄治
崎田律子
中山美智子
家  智彦
長堀晴雄
今井 隆信
谷口隆・睦子
小沢広和
池本節子
今井育美
窪田美代子
家倉平八
中村喜代子
山本尚美 
大塚好美
荒井重紀
南ますみ
浅野紀子
井上道博
石井義夫
井澤 厚
匿名希望2名



でかけてみませんか

3月9日(日)
第19回総会
13:30~17:00
石川県生涯学習センター 31号室
金沢市広坂2-1-1 広坂庁舎1号館(旧県庁新館)

記念講演 「日本の自然保護運動について」
講師 茅野恒秀 氏 
(財団法人日本自然保護協会 保護プロジェクト部副部長)


4月13日(日)
雑木林春の詩 パート19 白山市河内地区 舘裏山
集合:道の駅 鶴来 しらやまさん 8時
   (観察会8:30~14:30)
参加費:300円(保険料含む)

山歩きのできる服装・靴 雨具、弁当、飲み物等用意してください。 
カタクリ ギフチョウ オオルリなど観察できます。