三津野 真澄
私が毎日出しているゴミ。「果たしてどこへ運ばれどのように処理されるのかな?」ある日ふと思い立ちました。
この拙文を読んで下さっている皆さんも、きっと熱心にゴミを分別し各自治体のルールに従って出していると思います。自分が出したゴミはどこに行ってどのようにリサイクル・焼却・埋立されるかご存知ですか。
今回は、勤務先(加賀市の県立大聖寺高校)のゴミの行方を追跡したレポートをお送りします。

エコセンターでごみ分別の指導をするSEP聖高プロジェクト委員の生徒
各教室からのゴミは『エコセンター』と呼ばれる集積所に集め19種類に分別されます。毎日の清掃の時間はゴミを運ぶ生徒で混雑しますが、SEP(聖高エコプロジェクトの略)委員の生徒が手際よく分別指導をしています(写真)。そして種類別に計量された後、次の道筋でゴミは処理へと出発していきます。
(1)可燃ごみ
学校→加賀市環境美化センター(以下美化センターと略)→焼却灰は埋立
(2)プラごみ
学校→収集運搬業者2社→美化センター→富山のリサイクル工場でプランター等にリサイクル
(3)紙類
学校で『コピー紙・わら半紙・雑古紙・ダンボール』の4種類に分別→南加賀地区でとりまとめ→福井の製紙工場でダンボール用紙にリサイクル
*紙の品位に応じて個々リサイクルされるので分別が必要との指導を受けて一生懸命に4種類に分けてきたのに、製紙工場に入ったら一緒くたという事実を知り唖然としました。しかし今年度は福井の製紙会社との契約だが来年度以降はどこと契約されるかわからない。将来に備えて紙質による分別は継続してほしいとのこと。う~ん、契約先によって分別の必要性に差が出るとは腑に落ちないよ‥‥
(4)アルミ缶
学校→業者A(加賀市)→美化センター→業者B(加賀市)→業者C(福井市)→アルミ会社で再利用(富山市)
*加賀市から出されリサイクルされる工場に届くまで、なぜ業者2社間を動くのでしょう。しかも石川から福井を経て富山へ行くとは、まるで放浪の旅です。経費もかかるし運輸から排出されるCO2量も相当なものなのでは?リサイクル業界がいったいどういう仕組みなのか疑問に感じます。
(5)ガラス瓶
学校→業者A(加賀市)→美化センター→(株)東洋カレット→(株)東洋ガラスでガラス瓶にリサイクル
*瓶は瓶に戻りますが、この過程で使われるエネルギーは多大です。使い捨ての瓶(ワンウェイびん)はLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からも環境負荷が大きいので、何度も使用できるリターナブル瓶か紙パックのものを選ぶ方が環境にやさしい!
(6)乾電池
学校→美化センター→(株)野村興産で高温処理し鉄、炭素、亜鉛・マンガン混合物の3種類に分離→それぞれリサイクル
*北海道北見市にある野村興産株式会社は日本で唯一乾電池をリサイクルする会社で全国の自治体から受け入れています。ここ加賀市からもはるばると北見市まで運ばれ処理されます。鉄、炭素、亜鉛・マンガン混合物の3種類に分離され、鉄は北海道内の製鉄所で再利用、炭素は同じく道内の冶金工場で燃料として利用。そして亜鉛・マンガン混合物は船に積まれて中国南京市まで行き、日系の家電工場でブラウン管原料に使われるとのこと。電話での問い合わせで、私「え~、はるばる南京ですか!」野村興産担当者「そうなんです、国内での利用方法が無いもので。しかし中国も豊かになってブラウン管テレビが売れなくなり、この工場も今年中には液晶テレビに切り替わるんですよ。ウチから出される亜鉛・マンガン混合物は行き先が未定で困っています。一方で全国からどんどん乾電池は運ばれて来ますし‥‥」リサイクルされるあての無い乾電池が押し寄せる光景を想像してぞっとしてしまいました。
ここでは紙面の都合上紹介し切れませんが、スチール缶、ペットボトル等も複数の業者を経由してリサイクルされます。しかしその経路は複雑怪奇。いずれにせよリサイクル工場に至るまで運輸により相当のCO2が排出される点は間違いありません。『3R(リユース・リデュース・リサイクル)と言われますが、今回のゴミ追跡調査によってユース(再使用)とリデュース(削減)が何よりも大切と強く思いました。