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●バイオマスエネルギーについて考えてみませんか

三津野 真澄

バイオマスとは生物資源という意味です。植物(森林や農作物など)、植物を餌とする動物とその糞、食糧や廃棄物などの総称ですが、具体的には木材、稲わら、サトウキビの搾りかす、天ぷら廃油など多岐にわたります。このバイオマスから作られるバイオマスエネルギーに今、熱い注目が集まっているのです。

出来上がった炭。黒く輝いてきれい
出来上がった炭 黒く輝いてきれい

注目の理由は何でしょうか。
まず、バイオマスエネルギーは再生可能であり恒久的であるという点があげられます。植物は太陽光により光合成を行いエネルギーを生産しているので、太陽が輝き続ける限り枯渇することはありません。たとえ森林は伐採されても数十年後には再生されるので、私達は恒久的にバイオマスを利用することができます。
二番目として、バイオマスエネルギーを利用しても地球温暖化を進めないという点があげられます。石油・石炭などの化石燃料を使用すると、温暖化の主因である二酸化炭素が排出されてしまいます。バイオマス燃料を燃焼させると確かに二酸化炭素は排出されますが、これはバイオマスの生育時に光合成によって大気中の二酸化炭素から固定された炭素が元であり、単にそれを大気に戻しただけ。つまり『ゼロエミッション』(排出無し)なのです。

他にもバイオマスエネルギーの特徴として全世界が必要とする量をまかなえる可能性があり、経済性も年々向上している点も見逃せません。
EU諸国では、化石燃料に対して含まれている炭素量に応じて税金をかけ、その消費を抑制しようという環境税が導入されています。しかし二酸化炭素を増やさないバイオマス燃料には課税されていないことから、普及が進んでいます。例えばスウェーデンでは重油に対して二酸化炭素税、硫黄税(硫黄は酸性雨の原因物質のひとつ)、エネルギー税などが課税されるため、価格はバイオマス燃料の約2倍となっています。その結果、スウェーデンでは全エネルギーの20%がバイオマスにより供給されるようになりました。

ところで日本人が古来より利用してきた炭は優秀なバイオマス燃料のひとつです。しかし残念ながら私たちは炭をほとんど使わないようになってしまいました。その結果、里山は荒廃の一途です。

さて話はかわりますが、9月のある日のこと。私の元へ一本の電話が入りました。加賀市で進行中の国道八号線の拡幅工事にともない大量の雑木林が伐採されているが、それが「産業廃棄物」として焼却処分されているとのこと。電話の主は続けました。「余りにもったいないので、この木で炭を焼きませんか?」即決、了解です。

国道8号線拡幅工事現場の様子
国道8号線拡幅工事現場の様子
せっかくの森林資源が産業廃棄物として捨てられている。

そして10月20日の午後、生徒たちと現場へ。すでに工事業者の方は伐採樹木を現場に並べてありました。生徒たちはノコギリを使って炭焼き用のサイズに切っていきます。そしてトラックで加賀市中央公園にある炭焼き窯に運び、窯の前に積み上げました。次に登場したのは、炭焼き名人とNPO「石川フォレストサポーター会」のメンバー方々。木を窯のサイズに合わせて切り窯の内部にきっちりと並べ入れます。そして「山の神様」への塩とお酒もお供えしての火入れ式。最初は窯の温度を上げるためどんどん薪を入れていきます。全体に炎が回ったところで窯の入り口を塞いで蒸し焼きのプロセスに。この過程で木酢液が取れました。最終的に全体が炭になるまでに10日余り。

取り出された炭は黒く輝ききれいでした。いま大聖寺高校の図書館書庫で湿気とりとして使われ、来年の学校祭の模擬店でプロパンガスの替わりに活用される予定です。これで大聖寺高校から排出される二酸化炭素の削減にもちょっぴり貢献しそうです。

大聖寺高校の生徒が薪炭材用にノコギリで短く切っていく
大聖寺高校の生徒が薪炭材用にノコギリで短く切っていく

炭焼き窯まで材木を流れ作業で運び込んだ
炭焼き窯まで材木を流れ作業で運び込んだ

いよいよ炭焼き窯に火が入った
いよいよ炭焼き窯に火が入った