
作者 : 大塚好美(当会会員)
目次
- かんじきハイク
- 第17回総会を終えて
- 団体会員紹介(その5)ナカオ山岳会
- ちょっと一休み 早春植物
- 高山帯・亜高山帯で行われる事業は植物にどこまで影響を及ぼすか ~白山南斜面における植物への影響調査報告~その3
- 4年目を迎えた、チブリ尾根(市ノ瀬別山線)登山道管理委託事業
- 白山はまあるく回るDルートで行こう
- 白山を巡る沢旅(その15)~我が家の里川・犀川源流紀行その1 海から倉谷川魚止め滝まで~
- 環境について考える 第10回 いま中国・韓国での環境教育は?【日中韓・環境教育ネットワーク】
- 事務局短信
- でかけてみませんか
かんじきハイク
若林則康
「まるで雪中行軍!?」
はじめまして、若林則康と申します。この度、初めて「冬山ハイキング」に参加させていただきました。2月5日、日曜日。前日が立春で、暦の上では春のはずですが、前日からこの冬一番の冷え込み。新雪も積もって、絶好?のハイキング日和でした。
名古屋生まれの私は、転勤で金沢へ来て3年半になります。最初の冬には、珍しくて、霰を拾って眺めていました。今年の冬は、1センチほどもある大きな雹(雹の定義は5ミリ以上の粒)が降ったので、やはり拾い上げて見てしまいました。そんな私ですから、雪の中を4時間も歩くのは生まれて初めてでした。
更に驚いたのが「カンジキ」です。民俗資料館などで見たり触ったりしたことはありましたが、まさか実際に履いて歩くとは!聞けば、クロモジなど材質も様々だとか。踵にループを引っかけ、つま先側から延びる2本のロープ(踵のループと繋がっている)を足の甲で交差させて、踵のループに引っかけ、足首の所で結んで固定する。こんな簡単なモンで大丈夫か?と思えましたが、使ってみると実に機能的でした。中には、少し現代的な金属製のカンジキやかなり現代的なスノーシューを使っている方もありました。機会があれば使い比べてみたいですが、木製のカンジキは、歩行中に最も雪が付着しにくいとか…。先人の知恵に思いを馳せるひとときでした。
さて、コースは戸室山です。私の中では戸室石の産地と言うぐらいしか知識はありません。参加11人の中で最も素人の部類です。ですから、すっかりお客様状態でした。一体何処をどのように歩いているのやら?それでも、終盤(ほとんど下山後)に戸室山の全景を臨み、あの左の尾根から下りてきたのだと説明された時には感無量でした。普通ならこの雪の中、遠くに見える山に登ろうとか、ましてやそれを越えようなどとは想像だにしません。私にとってはまるで雪中行軍!全てが貴重な体験でした。
少々大げさでしたね。天気は概ね良好でした。途中雪は降りましたが、日が差すこともありました。すると、真っ白な雪原に木々の陰が落ち幻想的でした。また、コゲラやジョウビタキのメス?やヒヨドリの姿、ヤマドリの気配やイノシシやウサギの足跡も目にしました。カンジキを脱いだ後は、駐車場までの道路を20分程上りました。感覚としては、興味津々で歩いた山の中と同じぐらいの時間に感じました。誰も足を踏み入れていない、もしかしたら、雪が無かったら歩けない場所を、皆さんとご一緒できて大満足でした。
最後に、ご自分は参加されないにもかかわらず、私を集合場所まで送って下さった山田さんご夫妻。カンジキと防水ズボンを貸してくださった村上さん。全面的に助けていただいた三坂さんはじめ参加10人の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当に有り難うございました。

第17回総会を終えて
加藤正現(当会事務局長)
3月12日(日)石川県生涯学習センターにて、当会の第17回総会が開催されました。会員約40名出席のもと、今年の活動の方向性について話し合いましたが、とりわけ白山トンネルへの反対運動を強めていくことを活動の中心とすることなどを決定しました。また、会員の皆さんからの意見を多く採り上げて活動をすすめていきたいと思いますので、どうぞ、ホームページ等を通してご意見を頂きたいと思います。なお、今年初めて会場の後ろで会員による作品の展示や販売などが行われました。いつもの総会とは違い華やかな雰囲気が醸し出され、皆さん興味を持って作品に見入っていました。いい発表の機会になったのではないでしょうか。今後も続けていきたいと思います。また、第2部では、白山ろく民俗資料館館長の山口一男氏(当会参与)による講演「白山麓の歴史と文化について」が行われました。私たちが白山の自然保護に関わるうえで、白山麓の歴史や文化を知り理解することは必要不可欠のことではないでしょうか。山口氏のお話を通して、白山麓の豊かな歴史や文化を知るにつけ、改めてそのように感じた次第です。
さて、今年の活動も本格的にスタート致します。当会は、皆さんのご理解とご協力と参加によって支えられてきた会です。どうか今年の行事予定をご覧頂き、会の行事に積極的に参加して頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
団体会員紹介(その5) ナカオ山岳会
代表 林正一
前身の『中尾グループ』が発足したのは1962年、医王山中尾尾根に新道を開いたのがきっかけである。他の登山団体と同じく登山を目的とすることは変わらぬが、その時々の社会の動きに反応して運動してきたことは他の会と異なる。「社会派山岳会」と言われるゆえんであろう。
会発足当時は自然破壊もなく平穏な時代、清掃登山か登山道を整備するくらいが主な奉仕作業であった。ところが1970年ころになると、各地の山に林道がつき自然が破壊されてきた。当時、石川県には山に目を向けて自然保護を唱える団体はなかった。石川の山を一番知っているナカオが声をあげることが多かった。しかし、自然保護を専門とする団体が必要を痛感し石川県自然保護協会の設立を提唱し、白山の自然を考える会設立にも加わった。
わたしらの自然保護運動の基本に、声高に反対するだけでなく提言をする。山村の活性化のために協力する。問題の現場に携わっている人を敵視しない。この姿勢が評価され、問題の渦中に入り、意見を述べる機会を与えていただいた。自然保護に貢献できたと見ている。
現在、ノコギリ持参で登山をしよう運動を展開している。趣旨は、山村の過疎と高齢化により人手が不足しており、登山道の荒廃が進むと予測している。登山のときに道を塞いでいる枝や倒木を取り除き、登山道を守ろうというものである。ご協力をお願いしたい。
入会はいたって簡単、職域山岳会や日本山岳会を除く他の登山団体に加入していないのが条件。石川の山や白山と周辺の山を知りたい。奉仕などの事業にも参加したい。とあれば歓迎する。会費は年間3000円、入会金は頂いていない。


登山の傍ら、登山道整備も行う。鞍掛山で
ちょっと一休み 早春植物
三坂岳応(当会会員)
雪解けの大地に草が萌え花咲く春は、雪国の人間や動物にとって歓喜あふれる季節です。芽吹いた草の多くが枯れるのは晩秋から初冬になりますが、温帯の落葉広葉樹林の林床で、早春他の草木よりいち早く芽吹いて花を咲かせ、あわただしく葉を茂らせ、夏が来る頃にはもう地上から姿を消してしまう一群の草があります。

カタクリ

コシノコバイモ

キクザキイチリンソウ

ヤマエンゴサク
特定の科に属すものではありませんが、これらを「春植物」(早春植物)と呼びます。このあたりでよく見かけるものに、ユリ科のカタクリやコシノコバイモ、キンポウゲ科のキクザキイチリンソウやニリンソウ、ケシ科のヤマエンゴサクなどがあります。いずれも植物体は華奢で、すぐに姿を消してしまう儚さから「spring ephemeral=春の短い命」とか「春の妖精」とも言われます。
生命命活動にとって好適なはずの夏に休眠してしまうのはもったいないようですが、これらが生育する所では、夏には頭上の落葉樹の葉や背の高い草が太陽の光の多くを利用してしまい、日陰でも育つように適応した植物以外生きられません。そんな土地でも、早春から初夏にかけての限られた時間なら、他に光を利用する競争相手がいない(環境上のニッチ)ので、あふれるばかりの光を独り占めできます。その短時間の内に翌年への準備を完成する事で生き抜く事ができるように適応進化したものと考えられます。
比較的大きく目立つ花や群生する事で、気温が低く活動する昆虫が少ない早春に花粉の媒介者を呼び寄せたり、昆虫や動物を利用して種子を遠くへ拡散させる仕掛けを備えるなどもニッチで生き抜く手段でしょう。なよなよしているように見えて、利用できるものはしっかり利用して生きる逞しさも備えているのです。
高山帯・亜高山帯で行われる事業は植物にどこまで影響を及ぼすか
~白山南斜面における植物への影響調査報告~その3
清水孝彰(当会運営委員)
3.登山道状況と環境との関係把握
室堂-南龍ヶ馬場間の4ルートを調査し、図2に示す54地点で、登山道幅員、周囲の植生・標高・傾斜・方位・木道等構造物の状況を測定しました。また、エコーラインで残雪分布、表流水分布を試行的に調査しました。
調査対象地域の、植生別の登山道平均幅員及び幅員分布は図3に示す通りです。登山道幅員は植生に大きく依存することが明らかとなり、幅員の大きい順に並べると以下の通りとなることがわかりました。
雪田―高茎草原―ササ―ダケカンバ―夏緑低木―ハイマツ―岩屑
一方、地形の代表要素である、標高・傾斜・方位と、幅員との間にあまり明確な関係は見られませんでした。しかし方位との関係については、南南東に近い斜面で幅員が大きい傾向がありました。この斜面は冬の季節風に対して風下側となる斜面で、積雪が吹き溜まりやすく、雪田や高茎草原が発達しやすい斜面です。
標高・傾斜・方位・植生が、幅員とどれだけ強く関係しているかを「重回帰分析」という手法で分析したところ、植生との関係が大変強く、方位・傾斜・標高の順に関係が弱くなることもわかりました。
登山道荒廃(拡幅)の原因となる踏みつけ行動には、登山道に積雪・水たまり・ぬかるみ・表流水が存在することが大きく関係します。水の作用には雨と雪がありますが、長期的影響としては雪の方が大きいため、雪田と高茎草原における残雪状況を残雪期に試行的に調査しました。残雪調査地点は図2に示す4点です。
雪田では、登山道部に融雪水が常にたまり、ぬかるみが形成されている様子や(登山者はこれを避けるように歩くため、踏みつけ要因となる)、対策として木道を設置した場所では、木道の脚の部分で表流水が止められて周囲に流れ出し、浸食幅を広げています(図4参照)。一方、高茎草原は積雪の多い急斜面に形成されるため、雪が重みで下へ流れて登山道や構造物を破壊していく現象が問題となります(図5参照)。
4.おわりに
これまでの調査で取得したデータは、白山の高山帯・亜高山帯で登山道等の土木工事が計画される際、周囲の植生にどの程度の影響が出るかを事前に予測し、工事の中止や場所の変更、工法の見直しなどの、回避や保全対策を提案するための貴重なデータとなります。今後の調査では、さらにデータ数を追加していくと共に、各種工法の植生に対するプラス・マイナス効果の評価を行い、どのような場所にどのような工法が適しているのかを検討することが課題です。




4年目を迎えた、チブリ尾根(市ノ瀬別山線)登山道管理委託事業
米山 豊(当会運営委員)
早いもので、石川県よりチブリ尾根(市ノ瀬別山線)登山道の管理委託を受けてから、3年を経、この春に4年目を迎えることになりました。白山の雪解けとともに、また白山での草刈り等の作業に精を出すことになりました。
今年山は、私たちにどんな姿を見せ、迎えてくれるのかと思うと、不安と期待が入り交じります。日頃の山登りとはひと味違い、汗と根気のいる作業ですが、山をできるだけ痛めずに維持管理する方法を試行錯誤しながら実行していきたいと思います。
一人でも多くの方の参加を、お待ちしています。
【昨年度の反省会より】
2月の末に、主だった人が集まって反省会を行いました。以下はその内容です。
・3年目に入り、こつをつかめるようになった。どの場所を集中するかなど。
・参加者の人数を増やすことを考えるとともに、3つの班に分けるなどして体力に合わせた形をとる必要がある。得ることも多いが、やはり疲れる作業だった。
・人数が少ないと、上部に行くとへばってしまう。マニュアルのような物を作ったらどうか。このカーブの所は広めに刈るなど。
・登山道の修理を現地で話し合いながら行う必要がある。行って、検証し、修正すればいい。来年度に関しては、水場周辺を再整備することが必要なのではないか。
・新登山道に関しては、簡易機械を入れることも検討すべきと考える。
・県の実施した登山道整備で、意味をなさないところが多々ある。水切りの場所など。
・昨年は天候に恵まれた。オオバコはきりがなかった。道に笹が残ると滑るとの苦情もあったので何とかしたい。小屋上部に関してはやはり前日に小屋に泊まり、行いたい。
・砂防新道のような登山道にしないように、力を合わせて来年度も行っていきたい。
・県との話し合いの場を大事にしていきたい。
【今年度の予定】
チブリ登山道は市ノ瀬から現在の登山道入り口までは、国土交通省の砂防工事用作業道路が併設されています。このため、ダンプが往来し登山者は危険にさらされる時がよくありました。昨年から、従来は別当出合から降りていた上部砂防工事用ダンプがこの作業道路に降りることになり、一層登山者は危険な状態にさらされることになりました。
以前から当会は、併設状態から登山道を別の場所に移設するように県等に働きかけていましたが、昨年当会が中心になり岩屋俣谷に架かる鉄架橋から現在の登山道に至るまでの部分を新たに仮開設しました。(環境省及び県、国土交通省の現地視察をすでに受け、了解されています。)
今年度は、この新登山道の整備(この部分に関しては国土交通省との協議が主になります)と水場周辺の整備にも力を注ぎたいと思います。
以下は、登山道の巡検、整備、草刈り等の予定日時です。ただ、雪の状態により、第一回目の巡検は一週遅らせるかも知れません。参加される方は、事前に米山まで連絡ください。
7月、9月の草刈りには多くの人手がいります。積極的に参加ください。作業を見に来られるだけでもいいですよ。なお、些少ですが交通費等がでます。当日の保険は、こちらの方で加入します。
【来年度巡視、草刈り予定日の確認( の2回できるだけ多くの人たちで実施予定)】
第1回巡視、登山道整備 6月4日(日)
第2回巡視、登山道整備 6月25日(日)
第3回巡視、草刈り 7月22日(土)23日(日)
第4回巡視、草刈り 9月9日(土)
第5回巡視 10月15日(日)
白山はまあるく回るDルートで行こう
栗山宏人(白山トンネル特別部会)
白山トンネル(加賀飛騨トンネル)は現在調査中の小松白川連絡道の通称です。今年2月に石川県議会で土木部長がABC3ルート案から絞込みに入りたいとY県議の質問に答弁しています。貴重な自然環境を有する北部白山に大規模な工事を仕掛ける計画です。国交省の報告書によればA22.5km、B17.0km、C11.5kmの山岳長大トンネルを含む延長50kmの高規格道路です。
近年、東海北陸自動車道の建設が進み小松ICから白川ICまで1時間程度で行けます、しかも出会う車は数える程に少ない。推進者は主な目的として時間短縮とその効果を挙げますが、ほぼ20分~30分と思われます。国交省や石川県の報告書から浮かぶ姿は2車線対面交通で60km/h走行という設計です。公共事業費抑制を受け、当初の80km/h走行4車線案は影を潜めています。
白山の自然を考える会では白山トンネルを建設せず、既存道路を活用し、白山をまるく回るDルートを提起します。白川村へは小矢部JCを経て東海北陸道で、小松から高山方面には福井北から中部縦貫道(建設途上)で勝山を経て白鳥へと向うルートです、時間に余裕のある方は一般道を使ってください。貴重な環境をこれ以上傷つけることを避け、財政悪化を軽くする効果があります。
建設推進者は「トンネルは環境にやさしい」といいますが、22.5kmトンネル案では年間9億円もの電力費が必要です。推進者はこの分の省エネを引受けるおつもりですか。どうぞ地域を愛する皆さん、白山を取り囲む地域で温暖化を防止する宣言として白山トンネル計画中止を決めてはいかがですか。
白山を巡る沢旅(その15)~我が家の里川・犀川源流紀行その1 海から倉谷川魚止め滝まで~
鮎川 正(当会会員)
ところで一昨年秋は日本各地でクマ騒動が吹き荒れた。山での餌不足によるクマの里山、街への出没はもちろん金沢でも例外でなく、職場での芋掘り遠足も「良識」ある保護者たちの声により中止が危ぶまれたほどだ。(もちろん実施したが、このクマをめぐる、実際にはクマを目の当りにもしていない人々によるエキセントリックな反応には正直恐い思いがするのは僕だけか。)自転車で緑地公園を抜け工事中の外環道路をくぐり大桑に出ると、野良仕事をしているおばさんが、「そこで今クマが出たぞ!」と注意される。パトカーも来たらしい。梨、りんご畑が広がり、柿の木も多く、なるほど、クマが出ないほうがおかしいかも。気をつけねば。もっともクマも恐いが、ハンターも恐い。クマに間違えられないように・・・・。
貝殻橋、通称めがね橋で本来は左岸から再度右岸に道は渡っている。ただ、畑の作業道が左岸沿いにあり、鮎釣りなどで右岸沿いの道は何度も行き来にしているので、左岸を自転車で乗り入れた。ところが梨畑沿いに行くところで道は川から離れ上に向かっている。ちょっと様子を見に上がると途中でどどど~と何か黒い塊が走り去っていった。カモシカ?え~、ひょっとして・・・。同行のかみさんと顔を見合わせ慌ててもと来た道を戻ったのは言うまでもない。めがね橋を渡り通常の右岸の道へ。
左手に風変わりな犀末温泉?を過ぎて田んぼを抜けると天池橋へ合流。橋を渡り枝林道から左岸へ。次の橋で再度右岸に渡りほたる橋まで。その上の小さな橋までで犀川沿いの道はほぼ途絶える。自転車ではこれ以上無理なので、やむなく犀川縁から離れるが民家を通り右岸の台地に出る。田んぼのあぜ道を抜けると県道に合流した。上辰巳だ。問題の辰巳ダム建設予定地の上らしい。歴史的に由緒ある辰巳用水。その近辺をカットしたのはちょっと心に引っかかった。(この区間は後日積雪期に実現した。)
自転車もこうなると大人しく県道を行くしかなく、あとは時折犀川を下に眺めながらひたすら犀川ダムを目指した。悪名高き犀鶴線を過ぎると最後の集落、寺津。発電所を過ぎ、金谷、ナガトロ谷、カラタキ谷を分けて犀川の流れは細々となる。堰堤も増えて痛い痛しいかぎりだが、林道脇のムカゴを取りながら自転車をこぐ。滴る汗は秋を感じさせない。犀川ダムへの自転車ツアーは学生時代以来だろう。案外緩やかな傾斜で内川へいくよりも楽だと思うが、寄る年波にはそれなりのしんどさが募る。
見慣れた犀川ダムに着いて一休み。ここから湖岸沿いに自転車を乗り入れる。荒れた林道をしばらく行き支流の出会う橋で打ち止めとする。続きは後日遡行しよう。野鳥の声をBGMに写生をしつつランチタイム。しかし、なぜか柵止めを越えて車が行くのが摩訶不思議。カギを持っているらしい。林道工事の不可解さは工事の実態もさることながらこうした不平等性もからむ。誰もが入れなければまだしも、一部の人間だけが車で入れるのはどういう訳か?もっともこの道もその奥の崖崩れで車での通行は不能。自然はよくしたものである。
3章 犀川ダムから倉谷川、魚止めの滝
犀川、二又川の支流めぐりが忙しく犀川源流遡行は2年越しとなってしまった。メンバーも揃わず結局、かみさんだけというのがちと寂しい。犀川源流の倉谷、二又川は白山屈指の好渓なのになあ。昨年9月の3連休、倉谷~見越山~二又川下降の周遊プランを実行した。
湖岸道を歩き倉谷の橋を渡る。犀川ダムの水位は一昨年秋より全然多い。湖底を歩けた一昨年が例外的な渇水だったのか。倉谷集落跡を過ぎるとブルーシートの出造り小屋がある。こういうところに住んでいる人はどういう人物なのだろうか?山人か?ここに来る度に常々気になっていた。夏道はコシアゲ谷を過ぎると尾根に上がっていくので、沢に下りる。ダム下の流れの弱い川ではなく川本来の流れを取り戻した姿がここにある。秋なのに出没するオロロを振り払いながら広い河原を行くとまた出造り小屋。かつての倉谷集落の人だろうか。
本日は釣り師に会うこともなく平穏に魚止めに滝に到着。五段の滝とも呼ばれるこの魚止めの滝を越えるのは、学生時代以来である。下部は容易で大テラスまで上がれるのだが最上段が厳しく左岸スラブを裸足で抜けた先輩の話をよく聞かされたものだ。学生時代は卓越したパートナーに助けられたが、今回は自身がリードしなくてはならない。ちょっと緊張。大テラスから慎重にロープを出す。左岸のバンドから微妙なバランスで最上段落口右の小テラスへ。問題はこの先の左岸スラブ。この小テラスでとりあえずピッチを切る。かみさんに上がってもらいいよいよスラブだ。すぐ下が落口でスリップしたらそのまま流されてダイブ。最上段は5mほどだが瀑水の割には釜が浅く落ちたらただでは済みそうもない。傾斜は緩いが逆相のスラブでハーケンの打てそうなリスもなく第一関節の掛かりそうなホールドも見当たらない。三歩ほど進んで体が止まった。次の一歩を踏み出せばもう後へは戻れない。さあどうする?(以下次号)

倉谷川・五段の魚止めの滝の最上段の小テラスから下流を見る

最上段のスラブを行く
環境について考える 第10回 いま中国・韓国での環境教育は?【日中韓・環境教育ネットワーク】
三津野 真澄(当会会員)
前回ソウルの清渓川再生プロジェクトの報告をしたところ「なぜ極寒の12月下旬なんかに韓国に行ったの?」というご質問をいただきました。ごもっとも! では今回はこの旅(仕事ですが)の本題についてお話しましょう。
平成12年2月、日中韓3カ国環境大臣会合で東アジアでの環境共同体意識の向上を図るため、「日中韓環境教育ネットワーク」(Tripartite Environmental Education Network・略してTEEN)の立ち上げが合意されました。
これを受けて平成12年11月に日本で第1回TEENシンポジウムが開催され、以後3カ国の持ち回りで開催されています。今年度は第6回韓国の番で、昨年12月に2日間にわたってソウルの延世大学で開催されたのです。20日は専門家によるワークショップ、翌21日は市民シンポジウムという日程でした。
今回のテーマはESD(Education for sustainable development 持続可能な発展の為の教育)。国連は2005~14年を「ESDの10年」に制定として重要視しているからです。
1日目は3カ国の研究、行政、学校、NGOや企業などの立場からの発表が行われました。中でも興味深かったのは日本からの参加者である、松下電器産業社会文化グループ部長の森信之氏の発表でした。企業が環境教育分野で学校やNPO・NGOと協力していかに社会参加していくかという提言でした。
2日目は市民や学生を加えてのシンポジウムとなり、韓国の環境大臣も参加されました。テーマは「ESDに対する学校の役割」。韓国でも中国でも、環境保全のために環境教育は最重要というスタンスは共通しており、さまざまな取り組みの紹介がありました。
私は「循環型社会のための学校の役割」のパートで『SEP聖高エコプロジェクト』のタイトルで大聖寺高校の取り組みを発表しました(詳しくはニュースレターの前々号を)。
発表後に行われた討論で出された質問は、次の通りです。
「日本ではESD(持続可能な発展の為の教育)に関してどのようなカリキュラムが制定されているか」「ESDの指導者はどのように養成されているか」「日本のESDの教材について紹介してほしい」
私見ではありますが、実は日本の学校現場ではESDについて意識されたり議論されたりすることはほとんどありません。環境教育は年々活発化していますが、これを今後どのようにESDにつなげ発展させていくべきか。大きな課題をいただきました。
苦手な英語での発表だったので実は気の重いソウル行きでしたが、参加してよかったと満足感を得て帰国しました。もちろんキムチやプルコギはじめ韓国料理も堪能しましたよ!

環境教育用のバス。専門家を乗せて全国の学校や地域を巡回指導する。TEEN参加者に公開された。

バスの内部には説明パネル、実験観察器具、プロジェクターやスクリーンなどが設置され、どこでも環境教育ができるよう工夫されている。
事務局短信
==2月==
3日(金) 運営会議(12名)
5日(日) かんじきハイク(11名)
9日(木) 事務局会議(5名)
==3月==
3日(金) 運営会議(12名)
5日(日) 石川労山総会(1名)
12日(日) 第17回総会(40名)
15日(水) 事務局会議(5名)
28日(火) チブリ尾根維持管理作業県との反省会(当会4名、県3名)
==4月==
12日(水) アースディ参加者説明会に出席(1名)
14日(金) 運営会議(11名)
22日(土) アースディに参加(4名)
23日(日) 雑木林 春の詩PART17(14名)
でかけてみませんか
6月4日(日)
松尾山自然観察会 白山・大笠などの360度の大展望とブナの新緑
集合:8時 道の駅鶴来しらやまさん
担当:村上
7月22(土)
チブリ尾根下草刈り
集合:6時30分 道の駅鶴来しらやまさん
担当:米山
6月18日(日)
クリーン活動(チブリ)
集合:8時 道の駅鶴来しらやまさん
担当:加藤
8月5(土)・6日(日) 白山登山
南龍でテント泊・自炊です。
担当:加藤