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●ソウルの大英断【清流を取り戻そう】

三津野 真澄

韓国第一の都市ソウルの中心部を東西に流れる、清渓川(Cheong Gye Cheon チェンゲチョン川)。ここで最近行われた清流復元事業は、東アジア最大の環境修復プロジェクトであり、成功例として熱い注目を浴びている。気温マイナス15℃の12月、現地を訪問したレポートです。

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ソウルの中心街を東西に流れる清渓川。遊歩道には散歩する人々が絶えない

以前の清渓川は、その名称からは想像も出来ないような川であったらしい。第二次世界大戦、日本の植民地下であった頃は洗濯や水浴びの場であったが、戦後はゴミが捨てられドブ川化していった。やがて高度経済成長時代を向かえソウルの交通量は飛躍的に増加。1967年に川面はコンクリートで覆われた道路となり、その下で川は暗渠化され、更に上部には都市型高速道路も建設された。

しかしソウル市長選で清渓川の再生プロジェクトを公約した候補者が当選し、再生事業は開始される。まずは高速道路が撤去され、長さ10?に及ぶコンクリートの蓋が開けられた。ドブは浚渫され川の両側には遊歩道を作り、ところどころに噴水や滝、陶製パネル壁画などが配置される市民の憩いの場としての復元で、総事業費3867億ウォン(約456億円)の大事業は、2003年7月に着工され、05年10月に完成した。


12月の半日、清渓川に沿って歩いてみた。川はソウルの中心広場近くの湧き水から始まる。滝や飛び石が配置され、夏には子供が川に入って遊べるようにデザインされている。また壁画や彫刻が飾られ10?の行程を散歩しても飽きないような仕掛けもある。川の上をまたぐ10余りの橋は鉄、ガラス、木などを用いて凝ったデザインである。

夜間は噴水がライトアップされ、クリスマスシーズンにはイルミネーションも輝き、デートスポットとしても人気があるらしい。

遊歩道には清渓川ボランティアのスタッフが人々の安全を見守り、川と再生事業の解説をしていた。(マイナス10℃以下の寒さの中で!)さらに川の横にオープンした「清渓川文化館」では川の歴史や特徴、復元事業の全てについて知ることができ、環境教育の場としても活用されている。また高速道路の高架橋のうち三本は?負の遺産?として教材のために残されているのである。

一部の市民からは遊歩道が人工的だという批判もあるらしいが、植栽は10年後を考え計画的に行われており、時間と共に清渓川は自然の姿を取り戻していくだろう。

高速道路と覆蓋道路のダブル撤去により交通渋滞は避けられないばかりでなく、代替道路の建設は無し。しかし地下鉄網の整備と市民の理解に支えられて清渓川の再生が選択された。ボランティアスタッフの誇りある笑顔に、ソウルの大英断を感じたのである。

清渓川の歴史を示す壁画
清渓川の歴史を示す壁画を説明するボランティアスタッフ