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●白山国立公園内トイレ施設の現状

2005/5/13白山の自然を考える会運営委員会 西嶋錬太郎 (6/3 追加訂正)


施設のある場所

( )はトイレなし

石川県側
市ノ瀬口 : 別当出合 中飯場 甚ノ助 殿ヶ池 千振 南龍ヶ馬場
一里野口 : 奥長倉
中宮口 : しなのき平 ゴマ平
岩間口 : 小桜平
山頂部 : 室堂 (大汝山)

岐阜県側
石徹白口 : 神鳩ノ宮
平瀬口 : (大倉山)
境川 : 大笠山

福井県側
鳩ヶ湯口 : 三ノ峰
加越国境 : 赤兎山

以前は?
40年前:室堂用語「観光へ行く」 観光沢水屋(水を扱う台所)尻垂れ流し
20前・・・水屋尻上部に堰、そこに溜めたり(決壊糞尿洪水・延命水に大腸菌)

今は?
1 従来どうりの「ごっとん便所」成り行き任せ方式 (しなのき平 小桜平 殿ヶ池)

2 水洗便所地下タンク貯溜、タンク移し変えヘリコプター下ろし方式
ヘリでバキューム装置とカートリッジタンクを当該トイレへ運び、移し終えたタンクを市ノ瀬に下ろしトラックに積み替えて処理場へ運ぶ。

a 年1回夏山シーズン後実施施設 (室堂・南龍・甚ノ助)

b 4~8年に1回実施施設  (三ノ峰 赤兎山 奥長倉山等)

掃除は開山閉山にあわせて年2回のところが多い。

問題点: 当初、分解微生物を投入、大便を流動化してバキュームする予定だったがうまくゆかず、固化したものを溶かすため水を加え、その水も含めてヘリで下ろしており人手と経費かかっている。(室堂の場合、防火水槽の水を使用)

3 カートリッジタンク便槽方式(ゴマ平)     
屋外地下にカートリッジタンク1個設置、状況を見ながらおおよそ隔年毎ヘリで下ろし汚物を移し変え清掃、また小屋に戻す。

4 TSS乾燥化方式
南龍ビジターセンターで数年間実験設置)

水洗便所、便槽に分解微生物を混入。処理した水を屋外のそこにも微生物を散布した砂地(下に防水シートを張ってある)に流し、水分を蒸発させる。乾燥するため、量が減り臭いも少なく、数年に一度下ろせばすむ。

5 その他(岩間道 中宮道登山口公衆便所)
計画的に浄化槽の汚泥処理。

処理費用は?
石川県は管轄全施設トイレ処理を一括して松任の業者に委託している。

総経費年間1600万円(室堂で1トン当たり単価15万円程度、ゴマ平は一回30~50万円くらい、他不明)

福井県は大野市に岐阜県は郡上市に委託。ヘリ費用は室堂を参考。

今後は?
1.南龍は2005年度宿泊施設もTSS工事行う。予算は上水道手直し工事費込みで5000万円。野営場は2aのまま。

2.千振は2005年度小屋改築にともないカートリッジタンク便槽方式にする。 タンク引き下ろし初年度、2年度連続で、一回30~50万円かかるので あとはたまり具合を見て実施。

3.室堂は観光協会側希望はカートリッジ方式改修のようだが緑のダイヤモンド計画補助金で平成14年度に作られた施設で、まだ3年しかたっておらず規制がかかっていてすぐには改修できない模様。甚ノ助小屋のトイレも同様である。
* TSS方式は蒸発させるための相当広い処理砂地を必要とし、室堂や各避難小屋い導入することは不可能。南龍は旧ビジターセンター跡地、新センター南の造成地があるため導入可能。

石川県自然保護課の考え
各施設のトイレは環境負荷の少ないトイレシステムの導入をはかるとしている 。

また釈迦岳と三ツ谷に新施設を作りことにしている。室堂も含めて全てヘリ吊り下ろし可能なカートリッジタンク便槽方式になるのではないかと予想される。

福井県
三ノ峰は施設が新しく変化なし。 赤兎山は不明。

岐阜県
神鳩ノ宮は新しく変化なし。大倉山避難小屋トイレは地元自治体が管理できないという理由で閉鎖している。しかし、登山口からも室堂からも距離が長いので小屋にトイレを求められず周辺で用を足す者が多く、どうするか検討中。

登山者は糞尿とくに糞に対しどう考えればいいのか?
日本のゴミ持ち帰り運動の原点はいち早くゴミ籠を撤去した白山。最も汚い自分のゴミを山に残置、多額の経費と人手・エネルギーをかけて他人に処理させるのは矛盾している。

では、有料WCならよいのか???? 持ち帰り携帯トイレの普及運動も全国各地で進んでいる。快適なエコWCを作れということは、その運動の発展を阻害するのだろうか?

白山の自然を考える会運営委員会(2005年5月13日)フリー討論意見
室堂、南龍、甚ノ助小屋(殿ヶ池も)は大勢の登山者・宿泊者が利用するのでトイレをなくすることは出来ない。

しかし、それ以外の登山道にある避難小屋は主として少数の山好き、山慣れした登山者が利用するので携帯トイレの利用を呼びかけ、いずれトイレを閉鎖してもよいのではないか。

西嶋私見
上記意見になるほどと思う。

避難小屋は安全のために必要な施設、そこに汚物を残し多額の公金で処理してもらうというのはよく考えてみると確かにおかしいかも。平地の道路、公園とは違うのだから。

どこにでも野糞しないよう規制する代償として携帯トイレ購入補助金、要所(室堂・南龍・管理可能な下山口)での回収ボックス設置が必要かもしれない(他のゴミのように電車には持ち込みにくいので自宅まで持ち帰りはちょっときついかも)。そして各避難小屋のトイレは大便器閉鎖、携帯トイレ使用部屋に改修(女性の小はどうしたらよいだろうか?)する。とりあえず白山のトイレのあり方を自治体・考える会・山岳会・白山観光協会がシンポジュウムを持ち、方向性への共通認識を持つ。そして啓蒙キャンペーンをする。

参考資料
「白山登山道など整備計画(案)」(H15年度~19年度 5ヶ年計画)

石川県・福井県・岐阜県・大野市各自然保護担当課、白山観光協会などへの聞き取り